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あこがれる!が、しかし

 

こんばんは。
松原由布子です。

大学生の頃から今もお世話になっている
日本画家の久野隆史先生のご友人である
陶工・前野直史さんから教えてもらった
一冊の本があります。

染織家・志村ふくみさん
「一色一生」です。
 

    shomurafukumi.jpg

 

この「一色」とは藍色のことを指しています。
藍を染めるためには、藍甕がたてることが必須。
それだけでも大変なことなのですが、
藍は時間をかけて色を様々に変化させていきます。

最後は「かめのぞき」という
白磁の器に水を張ったような淡い青色に
なるのだとか。

ここまで藍甕を育てるのは並大抵のことではなく
人工の色でまかなわれることもあるそうです。

だから真の藍色を出すには藍の一色に一生を
かけなくてはならない、という随筆。

私はこの志村さんの生き方に憧れました。
たったひとつのものに全てを注ぐ
まさに職人としての生き方。
もちろんアーティストでもいらっしゃるんですが
自然の中に身を置き、感性を研ぎすます姿の厳しさに
自分もそうなりたいと思っていました。

しかしであります。
私は一本の道を突き詰める人間ではありませんでした。
廉貞・天府はどちらにしてもゼネラリストの星。
あらゆることを知りたい。面白がりたい。そういう星です。

この星の持つ性格を知った時、
やっぱりそうかと思いました。
どうもひとつに絞れない。
絵も描きたい。占いもしたい。人に会いたい。話したい。

学生時代も部活動を掛け持ちし
入っていない部にも顔を出し、
二つの部で部長と副部長をしたり。

子どもの頃の方が欲望に素直で隠さないから
本当にしたいことの方向を読みやすいかもしれないですね。

若干器用貧乏な気もするんですが
スペシャリストにはできない多様なジャンルをつなぐ
コーデノロジスト(荒川修作先生による造語)になればよし。

スペシャリストに憧れるからこそ尊敬して
おつきあいできるのですし。

懐かしい本を取り出してそんなことを思いました。


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