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電子書籍端末と巡る時代

この度、Amazon社より電子書籍端末の新機種「Kindle Fire HD」なるものが発表されたらしい。


電子書籍端末。


もちろん僕はまだ、持っていません。

実は、スマートフォンですら、最近やっとガラケーから乗り換えたばかりなのです。

どうやら、世間のブームから2年から5年後あたりに、

マイブームになる傾向があるようです。


昔からそうですが、なぜか抵抗があるんです、 「 新しい商品 」 に。


この度の 「 電子書籍端末 」 とやらにも、

当然のことながら、 “ なじめなさ ” を感じており、

「 やっぱり文章は本で読むに限る! 」

と思っているわけです。


考えてみれば、本と電子書籍の違いってなんでしょうか。


もちろん電子書籍端末は、書籍に限らず、音楽や動画、アプリなど、

あらゆるデジタルコンテンツに対応しているらしいのですが、

あえて書籍としての機能に絞って比較させてください。


電子書籍は容量にもよりますが、

「Kindle Fire HD」の最大容量である64ギガバイトのブツですと、

新書にしてナント 「 約50万冊分 」 の収納が可能だということです。


一生かかっても読みきれそうにありません。


ちなみに原宿にある渋谷区中央図書館の蔵書数が約30万冊。

図書館まるまる一個入れてもまだ20万冊の余裕があるとは・・・


恐るべし電子書籍端末。


しかしですね、いくら自宅の本がきれいさっぱり片付くからといって、

あながち、電子書籍端末が本に勝るとも言えんのです。


本棚に収まっている本たちの、あの背表紙。

僕なんかは、あの背表紙に読書欲を刺激されるんです。

背表紙が 「 オレを読んでくれ! 」 と主張してくるんです。


それが、あんな薄っぺらいパネルの中に納まってみてもごらんなさい。

こちらから、呼び出しでもしない限り、

その姿を自らみせることはないんです。


そしていつしか、メモリーの片隅に埋もれ、

ついぞ主張すること許されず、

削除の対象になっていく電子書籍たち。


それを考えると、よもや電子書籍端末に手を出そうなんて思えませんね。


しかし、僕は思い出してしまいました。

かつて、 「 iPod 」 を皮切りに、

携帯型デジタル音楽プレイヤーが登場した時のことを。


「 音楽がデータになるなんて、絶対認めない!

何万曲入るって言ったって、所詮データだろ。

やはり物としてのCDにはかなわんさ。ジャケットの良さもあるしね。 」

と豪語してから5年後・・・


CDを買わなくなり、YoutubeやiTunesで音楽を聴きあさり、

「 いやー便利な時代になったもんだ。 」

と白々しくも言い放って、

不用となった大量のCDを、中古CD屋さんに売り行ったっけ。


そんなことを思い出しながら、

「 時代は同じ法則で繰り返している 」 ことに、

ようやくも気付いたのでした。



ですから今回こそは、意地を張らずに、

電子書籍端末に早めに馴染んでいきたいと、

素直に思う今日この頃です。



某 件太郎

 

 

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