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メソポタミアの神話について3部作で簡単に解説します。

粘土板に刻まれたメソポタミア神話、時代ごとにバージョンがある！

前回、メソポタミア神話の体系は3つに分かれると伝えました。

初期の①シュメール神話、シュメールを滅ぼしたアッカドにより引き継がれた②アッカド神話、それから③ヒッタイト神話

アッカド神話はさらに言語により〈アッシリア版〉と〈古バビロニア版〉に分かれます。

言葉も人種も異なる人たちにより継承され、それぞれ独自にアレンジされてきたメソポタミア神話。

アッシリア版と古バビロニア版は内容がほぼ同じで、約3600行のボリュームがあったといわれます。

しかし見つかっている粘土板はどれも半分ほど破損しており、物語の完全な状態は不明。

各版のストーリーが完全に一致しているかどうかも不明です。

「生と死」は神も人も共通事項！命は必ず終わる！

メソポタミア神話、全体を通しての【テーマ】は

・命は必ず終わる

・人は死ぬべきもの

メソポタミアの神々の特徴は、《死ぬ》なのです。

他の文明の神々は永遠の存在であったり、ほとんど死にませんが、メソポタミアの神々は死にます。（生き返ったりもしますが…）

神々にも命がある、という点は、わりと人間に近いと言えます。

メソポタミアでは、世界は〈天・地・地下(冥界)〉の3層で出来ていると考えられていました。

メソポタミアは《太陰暦》だから月の神が強い！！

古代エジプト文明は《太陽暦》なので、太陽神ラーが最高神として崇められました。

メソポタミア文明は《太陰暦》なので、月の神シンから太陽神シャマシュが生まれており、太陽よりも月の方が力が上です。

メソポタミアの人々は自分たちのことを、神の代わりに働き神に奉仕する「神の従僕」であると立場付けました。

従僕が神々へ願い事をするなど畏れ多い！という理由で、メインの神々のほかに『個人神』という神を作ったりしています。

『エヌマ・エリシュ』は物語の冒頭の句

メソポタミアの文学作品は、冒頭数句をタイトルとする慣例がありました。

アッカド人のバビロニア創世神話で『エヌマ・エリシュ』と名付けられた有名な7枚の粘土板文書がありますが、「上では天がまだ名付けられず」という意味を表す冒頭の数句がそのままタイトルになっています。

メソポタミアの神々の種類

神の数は全体を通して42神(英雄含む)

☆創世の神々が12神

☆天・地・冥界の神々が19神

☆英雄や守護神が11神(人)

ほかにも、怪物や悪霊など有象無象が20体、物語の中で確認されています。

★創世の神々、12神★

最高神アヌ〈天空の神〉暇な神

↓

(兄)エンリル〈大気の神〉暴虐　⇄ ニンリル〈穀物の女神〉エンリルに騙されて4神を産んだ

(弟)エンキ〈知恵・水の神〉半魚人の姿　⇄ (妻)ニンフルサグ〈大地・豊穣の女神〉

↓

(子)マルデュク〈バビロニアの神〉

アプスー〈淡水の海〉abyssの語源　⇄ (妻)ティアマト〈太古の海〉

↓

(子)ニヌルタ〈戦の神〉喋る棍棒シャルウルが相棒

女神キ（キ＝冥界、大地の女神）

原初の海ナンム（ティアマトの原型？）

ニンスン（ギルガメッシュの母）夢占いが出来る

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