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《陰陽五行(四神・十二支)》と《星宿図》が描かれた【日本の古墳】とは?!
数日間、古代日本(倭時代)の人物について語ってきましたが、今回は同じ古代の遺跡【古墳】についてご紹介します!
私は一昨年、大阪の百舌鳥古墳群を訪れました。
真冬なのでものすごく寒かったです(;ω;)
快適な時期にレンタサイクルしてもう一回まわりたいなぁと考えています。
古市古墳群の方はちょっと離れているので行けませんでしたが次回はたっぷり時間とって見てまわりたいです。
この〈百舌鳥・古市古墳群〉は、実は世界遺産なのです!!
日本には現在、25件の世界遺産があります。そのうちのひとつがここです。
ちなみに私は2年前に『世界遺産検定2級』を取得し、今年もしくは来年中に1級取得を目指して勉強しています☆笑
百舌鳥古墳群は、5〜6世紀に築造され[前方後円墳21基・円墳20基・方墳5基・形態不明1基]で構成されています。
その中でも代表的な古墳が【大仙陵古墳(伝仁徳天皇陵)】です。
仁徳天皇は、前回までにご紹介した神功皇后の子:応神天皇の、さらにその子です。
武内宿禰の孫娘と結婚し、履中天皇・反正天皇・允恭天皇3兄弟の父親にあたります。
現代の天皇陛下のご先祖のお墓にあたるため発掘調査ができないでいるようなのですが、“世界遺産“として登録されたからには史跡価値を実証するためにもぜひ有効な調査をしてほしいと思うところです。。。
さて、そこから100〜200年ほど後の時代、7〜8世紀。
私が今回力説したい古墳が2つ生まれました。
ひとつは【高松塚古墳】
もうひとつが【キトラ古墳】
この2つの古墳は石室内の壁画が有名で、どちらの壁画も国宝に指定されています。
古墳のジャンルとして、一般的に壁画などのある古墳は『装飾古墳』と呼ばれ、日本全国で約600基の存在が確認されています。
全国に約600基と聞いて「えっ思ったより多いな」と感じた方もいるかもしれませんが、古墳は全国に約20万基以上存在しているとされ、その中の600基だと極めて少ない状況です。『装飾古墳』の60%ほどが九州に見られます。
高松塚古墳とキトラ古墳の2例のみ、他の装飾古墳と系統が異なっているため『壁画古墳』と呼び分けられています。
【高松塚古墳】の彩色壁画
(画像はWikipediaより)
発見までの道のり
1962年頃、奈良県明日香村の村人がショウガを貯蔵しようと丘の南側に直径約60cmの穴を掘ったところ凝灰岩の四角い切石が見つかり、調査の発端となりました。
1972年に調査を開始してすぐ、極彩色の壁画が発見されています。
鎌倉時代に一度盗掘されてしまっていましたが、壁画は色鮮やかなまま残っており、いくつかの副葬品も一緒に検出されました。
1973年に高松塚古墳は特別史跡に、
1974年に極彩色壁画が《国宝》に指定されました。
築造の年月
2005年の発掘調査により、藤原京期694〜710年の間であると確定されています。
誰が被葬者か?
まだ誰なのか確定しておらず、3つの説が浮上しています。
・天武天皇の皇子:忍壁皇子説
・左大臣:石上麻呂説
・朝鮮半島系の王族説(百済王:善光?高句麗の王族?)
出土人骨は、推定年齢40〜60代の体格のよい男性とされます。
当時の天皇陵は八角形の古墳ですが高松塚古墳は円墳であるため、“天皇“ではなく“No.2クラスの高貴な人物“が被葬者であると言われています。
壁画について
壁画は石室の東・西・北・天井の4面に施されており、切石の上に数ミリの厚さで漆喰を塗ったその上に施されています。
この壁画には四神のうち青龍・白虎・玄武が描かれています。
東壁に『青龍』と太陽、男女4名ずつ。
西壁に『白虎』と月、男女4名ずつ。
北壁に『玄武』が単体で、
天井は円形の金箔と金箔を結んだ星宿図が描かれています。
人物は男女合わせて計16名描かれていますが、特に
西壁の女性4名は色鮮やかで「飛鳥美人」と呼ばれます。
↓↓↓
(画像はWikipediaより)
残念ながら、南側の壁画は盗掘により消失しています。
他の四神たちが描かれていることから、『朱雀』が単体で描かれていたのではないかと思われます。
【キトラ古墳】の彩色壁画
(画像はWikipediaより)
発見までの道のり
キトラ古墳は、高松塚古墳から徒歩約30分の距離、「阿部山」の中腹にあります。
1983年11月、石室内壁に『玄武』が描かれているのが発見されたのを始め、
1998年の調査では『青龍』『白虎』と天文図が確認され、
2001年の調査で『朱雀』と十二支像が確認されました。
2000年7月に国の史跡に登録、11月には特別史跡に指定となっています。
2018年10月に壁画と出土品が国の重要文化財に指定、
2019年に壁画が《国宝》に指定されました。
「キトラ」の由来
キトラ=「亀虎」と表記されますが、由来には3つの説があります。
・入り口から内部を見た時に亀と虎が見えるため
・古墳の南側の小字「北浦」が訛った
・キトラ古墳の位置が阿部山集落の北西方向にあるため(北=亀・西=虎)
築造の年月
壁画の装飾的に、704年の遣唐使が帰国する以前の7世紀末〜8世紀初頭頃とされています。
誰が被葬者か?
判明していませんが、高松塚古墳の埋葬者よりも身分や地位の低い人物とされます。
・天武天皇の皇子:高市皇子説
・右大臣:阿部御主人説
・百済王:昌成説
壁画について
東西南北の四壁の各中央に四神が描かれています。こちらも凝灰岩に漆喰を塗った上に壁画が施されています。
高松塚古墳と異なる点は、人物ではなく十二支の獣面人身像が描かれていることです。
東壁に『青龍』が南壁を向いており、十二支獣面人身像の「寅」が下方に描かれています。さらに太陽も描かれています。
西壁に『白虎』が北壁を向いており、十二支獣面人身像の「戌」が下方に描かれています。さらに月も描かれています。
北壁に『玄武』と十二支獣面人身像の「子」が下方に描かれています。
南壁に『朱雀』と十二支獣面人身像の「午」と「巳」が下方に描かれています。
天井には、北極星を中心に、三重の円や黄道の線、金箔の太陽・銀箔の月など277個の星が配置された本格的な中国式天文図が描かれています。
(画像はWikipediaより)
この天文図が「北緯39度の高句麗から見た星空」と一致するとのことで、被葬者は朝鮮出身の高貴な身分の者だったかも説がHOTです。
さらに、
天武天皇は、北極星=皇帝のモチーフとする〈道教〉に傾倒し、これまでの「大王」呼びを「天皇」と改め称した人物です。
キトラ古墳の天井図も北極星中心の星図が描かれています。
天武天皇・持統天皇陵は東経135度48分の経線上にあり、キトラ古墳も同じ経線上にあるため、被葬者は天武天皇血縁者の可能性も十分にあり得るかと思えます。
この説もHOTですね…!!
東洋占術家が超面白い!と感じる点
私が東洋占術家として最も注目した点が、十二支配置が完璧なところです。
判明している壁画だけ見ても、
北壁に北を司る四神の玄武、北の十二支:亥子丑のうち子
東壁に東を司る四神の青龍、東の十二支:寅卯辰のうち寅(と辰)
南壁に南を司る四神の朱雀、南の十二支:巳午未のうち午と巳
西壁に西を司る四神の白虎、西の十二支:申酉戌のうち戌(と申)
元々、東西南北壁には十二支全てが描かれていたとされます。
発見されている十二支像以外は、泥によって覆われたり剥離して消失したりしてしまっているのです。
超最新の話題ですが、2023年3月23日の文化庁の発表によると、
十二支の「辰」「巳」「申」にあたる箇所に顔料の成分とみられる水銀や銅の反応が検出され、エックス線を用いて分析したところ、
衣装の様子や、「巳」は顔から伸びた舌が2つに割れている様子までほぼ全身像が確認できたということです!!!
判明している色彩で見ても、
「午」の衣装の色彩が『朱雀』と同じ朱色、
「巳」の衣装の色彩に使われた塗料も朱色になる水銀が用いられていたのです。
バリバリの陰陽五行ですね!!!
泥で隠れている部分まで見れてしまうなんて…!!
技術の進歩により歴史の教科書が変わっていくのを目撃できるなんて、この時代の歴女で良かった…!と感涙です。
また、高松塚古墳とキトラ古墳に描かれていた星宿図についても私は注目しています。
宿曜占星術の元となる《宿》の理論は、周の時代(紀元前11世紀〜前771年)にはおおよそ出来上がっていたとされます。
東方青龍(=蠍座)の身体の部位で心臓にあたる部分の星が「心宿」、腹にあたる部分の星が「房宿」、尾にあたる部分の星が「尾宿」と名付けられました。
この理論が古墳時代(7〜8世紀)日本に伝来したと考えると、中国での宿曜星図(宿曜経)の歴史の長さは凄まじいですね。
さて、本日もかなりの長さになってしまいましたが、楽しんでもらえたでしょうか?
私もアウトプットが捗っておもしろ楽しく記事を書いていました。
次回は、「日本神話ってそもそもどういった話なの?」というテーマで書いていきたいと思います( ´ ▽ ` )♪
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(瓔珞ルノン) 2023年4月 7日 16:30 | 個別ページ
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